離職の先に待つのは介護だけの生活

なにより心配なのが、離職すると介護のみの日々になってしまうことです。
勤めているときは、「仕事がなければ十分に世話ができるのに」「もっと時間に余裕ができるだろう」と思いがちですが、現実にはけっして負担が軽くなるわけではありません。

介護に専念するために退職したのに、同居する家族がいると介護サービスによるサポートが以前より制限されるため、介護する人の負担はさらに増え、大変になる可能性もあるのです。

●ポイント
仕事と介護の両立が大変だと感じたときほど、辞めないでください。
一時的に仕事より介護を優先しなければならない時期もあると思いますが、その際は、現在の職場で「介護休業」を利用して乗り越えましょう。

職場に行けば、同僚と雑談したり、ランチをしたりするでしょう。
あるいは、通勤で電車に乗ったり、外を歩いたりするだけでも気分転換になります。

こうした、介護から離れた時間を持つことが、介護を長く続ける秘訣です。
でも、退職してしまえば、その時間すら取れません。

「もう辞めてしまいたい」と思ったときは、休む勇気をもってください。
仕事ができる環境を守ることが、自分にも介護される家族にも、メリットが多いことを覚えておきましょう。