介護離職者の大半が会社に相談していない
平成24年度の厚生労働省委託調査「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート」によると、介護離職した人の6割が「仕事を続けたかった」と後悔しています。
辞める前は、介護と仕事の両立で心身ともに消耗しきっています。
過労死のケースもそうですが、人間は燃えつきると思いもよらない行動をとることがあります。
最初は周囲に相談して乗り切ろうとしていた人も、度重なるトラブルに疲れ、
「これ以上、職場に迷惑をかけられない」
「辞めればラクになれる」
と、思いつめてしまうのです。
そういう考えが頭をよぎるようになったら、疲れが相当たまっている証拠です。
心身の危機だと自覚して、自分の気持ちをリセットするためにも、勇気を出していったん休んでください。
介護と仕事が両立できている人のほとんどは、職場に相談することに抵抗感がありませんでした。
あるいは、すぐに理解してもらえなくても、繰り返し相談することで、サポートが受けられるようになったケースもあります。
職場の理解が得られると、心の負担が少なく、無理せずに済みます。
一方、介護離職する人の大半が、職場に十分相談しないまま辞めています。
相談しなければ、同僚や上司からのフォローも得られず、配慮されることもありません。
事情を打ち明けないまま1人で抱えこんでいると、「周囲が察してくれない」「大変なのに誰も助けてくれない」というつらい気持ちがつのるばかりです。
たとえ最終的には辞めることになっても、介護休暇、介護休業、有給休暇など、労働者の権利をすべて使い切ってからでも遅くはありません。
一度、しっかり休んでから、今後のことを考えてください。