実務担当者の時期に必要なフィードバックとは
実務担当者として長期間放っておかれていた結果、「海外で活躍する気」が枯れてしまう。そのような状態になってから、突然海外転勤の辞令が出され、様々な面で準備不足のまま海外での生活が始まってしまう。これが「実務担当者 グローバル気枯れモデル」の弊害です。
いかがでしょうか。似たようなケースが思いあたるという方も多いのではないでしょうか。
これは、日本企業のグローバル人材育成モデルの盲点ではないか、と私は思っています。
では、この「実務担当者 グローバル気枯れモデル」を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。私からの提案は2つあります。「フィードバック」と「渡航準備」です。
まず「フィードバック」からご説明しましょう。
フィードバックとは「あなたの現状はこうですよ」と、相手にきちんと伝えることです。フィードバックには、「あなたの現状の能力やスキルはこうですよ」と耳の痛い話も伝え、同時に立て直す手助けをするところも含みます。
実務担当者の時期というのは、新人、若手向けの研修が終わり、マネジャー向け研修が行われるまで、研修空白期間があります。すると日々、目の前の仕事に忙殺される中で、「海外で活躍する」という目標を見失い、視野も狭まってきます。そんな時期には、なんらかのフィードバックが必要です。
なぜ、フィードバックが必要なのでしょうか。私はフィードバックについて説明するときに、いつもロケットの話をします。
以前、理系の先生から「エンジンだけで真っすぐ飛べるロケットはない」と聞きました。ロケットは様々な原因で必ず曲がっていくというのです。曲がるけれども「曲がっているよ」というフィードバックを受け、噴出口を曲げながら、上へ上へと飛んでいるということなのだそうです。
ロケットと同様、人も目指す方向へ真っすぐ歩んでいくためには、現在の自分の姿についてフィードバックを受け、常に立て直していくということが大切なのです。