40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全#2Photo:Caspar Benson/gettyimages

中高年が新たなスキル習得で人生を変えようとする場合、資格・検定の取得が手っ取り早いだろう。そんな中高年のリスキリングを支援する国の制度も拡大している。はやりの資格は、時代の変化による需要の増減や将来性に大きく左右される。特に近年は、生成AIの進化や副業の普及などを背景に人気資格は大きく様変わりしている。特集『40歳・50歳・60歳から人生を一新! 資格&学歴 裏ワザ大全』の#2では、大手資格学校のデータを基に、過去10年間の性別・年代別の「人気資格ランキング」を作成した。一昔までは“鉄板”だった人気の資格が順位を下げる一方、トップに立った意外な資格とは?(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

国も学び直しを後押し
古いスキルでは通用しない

 生成AIをはじめとするデジタル技術の進展などにより、従来のスキルだけでは対応できない職種が増えている。

 また、終身雇用制度の見直しや副業の普及により、個人が自らのキャリアを主体的に設計し、必要なスキルを継続的に学ぶことが求められている。

 そんな一生涯の“進化”が求められる時代にあって、資格(検定を含む)取得やリスキリング(学び直し)は、若年層はもとより中高年層においても、個人のキャリア形成や豊かな老後を実現する強力な武器となる。

 国も全ての世代のリスキリングを国家戦略の柱の一つと位置付け、支援を拡大中だ。2024年には、民間の検定試験やデジタル関連講座などの受講費用を補助する「教育訓練給付制度」が拡充された。また25年には、IT・データ分野を中心とした専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業省が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」が始まった。こうした支援策を活用し、自らのスキルを磨くことで、変化の激しい現代社会においても柔軟に対応できる力を身に付けられるだろう。

 そもそもそんな国の旗振りとは無関係に、資格の取得によって自らの人生を一新しようとする人々はこの5年で大きく増加した。大手資格学校TACがまとめた、日商簿記検定や宅地建物取引士(宅建士)など主要25資格・検定(公務員・教員を除く)の24年の受験申込者総数は264万人に及ぶ(下図参照)。

 新型コロナウイルスの感染拡大で多くの資格試験が中止になった20年とその反動増があった21年を除いて、コロナ禍前はおおむね240万人で推移していた受験申込者総数が、22年以降は260万人を超えたまま高止まりしている。

 次ページ以降では、具体的にどの資格・検定が人気を集めているのか、性別・年代別に過去10年間の推移をランキング形式で紹介する。そこから浮かび上がるのは、コスパに優れ、かつ将来にわたって長く稼げる資格への人気が高まっているという傾向だ。

 例えば、「学生」では難関資格の人気が上昇しており、「女性」では育児などライフスタイルの変化に応じた柔軟な働き方が可能な資格への関心が高まっている。