特に、新たに加わった「新興国小型車カンパニー」においては、軽自動車メーカーで小型車の開発・販売に長けたダイハツ工業の役割は重要だ。実際、同カンパニーのチェアマンはダイハツ工業の三井正則社長が就任している。他のカンパニーについても、事業に関係する会社のトップや役員も加わって強化する意向だ。

 2016年12月に発足した「EV事業企画室」は、社内ベンチャーとして章男社長直轄だが、プリウスPHVのチーフエンジニアだった豊島浩二氏を責任者の室長とした。豊田自動織機、アイシン精機、デンソー、トヨタから人材を起用して、EVの早期商品投入を狙いにトヨタおよびトヨタグループのスピード感ある「仕事の進め方改革」をけん引する役目も担う。

 また、4月から「トヨタGAZOOレーシングファクトリー(TGR)を「TGRカンパニー」として独立させた。これは市販の商品に、モータースポーツの知見を効果的にフィードバックさせるものだ。また、トヨタのモータースポーツの「草の根活動」などクルマ文化の醸成にも結びつけていく狙いだ。

 実際に、先のジュネーブショーでは、「ヤリスGRMN」を初公開した。「GRMN」はニュルブルクリング24時間レースなどの参戦ノウハウを市販車にフィードバックしたコンプリートカーブランドだが、従来の国内専用モデルから「ヤリスGRMN」は欧州市場を意識したモデルとして仏工場で生産されるという。

社内カンパニー制導入の狙いは
「人材育成」と社長候補の育成!?

 トヨタの社内カンパニー制導入の狙いの一つは、「人材育成」であり、「次期トヨタ社長候補の育成」とも言われる。社内カンパニーには独立性による権限と責任が与えられており、各カンパニー間での競争もある。各プレジデントが「経営力を磨く場」となっているからだ。

 もっとも、豊田章男社長は長期政権が予想されており、豊田章男氏が「オールトヨタグループの総帥」としての役割に移行するという見方もある。ただし、いずれは後継が必要となるのは避けられないことだ。