衆議院東日本大震災復興特別委員会(復興特委)で、東日本大震災復興の基本方針及び組織に関する法律案(復興基本法案)が審議されている。その法案には震災復興の基本理念と体制が定められているが、おそろしく中身のないスカスカの法案だ。衆議院のサイトにあるので、読んでみたらいい。

民主、自民の両法案とも
中身が薄く似たり寄ったり

 大震災が発生してから2ヵ月以上になるが、その間、いったいどんな準備をしてきたのだろうか。法案というと、読みにくいという印象がある。実際、いろいろな法律との整合性をとりながら、法案は作られるので、普通は一般の人には読めないくらい複雑だ。ところが、復興基本法案は中身がないので、簡単に読める。

 基本的には、復興の基本理念、東日本大震災復興対策本部の設置、東日本大震災復興構想会議の設置しか書かれていない。そして、附則に、復興庁の設置を検討することが書かれている。この程度の法案なら、数時間で作れるほどのものだ。

 これに対して、自民党は対案(東日本大震災復興再生基本法案)を出している。これも、復興の基本理念、復興基本計画、復興再生債の発行、東日本復興再生院の設置、東日本大震災復興再生委員会の設置と、中身については民主党のものと似たり寄ったりだ。

 ただし、復興組織についてはカバーする業務がやや違っている。民主党案では「被災地域の復興のための施策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」(第6条)であるが、自民党案では「東日本大震災からの復興再生に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務」と「東日本大震災からの復興再生に関する施策の実施に係る事務」(第14条)となっている。