「真のリーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく、望ましいかを考え抜く。リーダーの仕事は、明快な音を出すトランペットになることである」(『プロフェッショナルの条件』)
ドラッカーは、リーダーシップとは、人を引きつける個性のことではないという。そのようなものは煽動的資質にすぎない。
また、仲間をつくり、人に影響を与えることでもないという。そのようなものは、セールスマンシップにすぎない。
カリスマ性でも資質でもないとすると、リーダーシップとは何か。ドラッカーは、リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることだという。
信頼がない限り、従う者はいない。そもそも、リーダーに関する唯一の定義が、つき従う者がいることである。
信頼するということは、必ずしも好きになることではない。常に同意できるということでもない。リーダーの言うことが真意であると確信を持てるということである。それは、真摯さというまことに古くさいものに対する確信である。
リーダーが公言する信念とその行動は、一致しなければならない。リーダーシップは、賢さに支えられるものではない。一貫性に支えられるものである。
「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である」(『プロフェッショナルの条件』)