1回の注射でOKと謳う
高学歴形成外科医をチョイス

(美容整形って、なんだか疑わしいわね)

 君江さんはちょっと不安になってしまった。実は彼女は、某有名大病院に務める臨床検査技師である。

(医療従事者の端くれでもある自分が、万一にも、疑わしい医療の犠牲者なんかになったらシャレにならない)

 慎重に吟味した結果、「ドクターが国立大学形成外科出身で真面目そうである」「一度の注射で効果があらわれ、しかも痛くないよう、薬剤の配合と注射方法を工夫している」「治療法の危険性についても説明している」「家から近い」「ハイソな街にある」「料金が安すぎない」「40歳代男性の施術例もある(脂肪溶解注射ではないが、判断力のある世代の男性に選ばれているのはいい!)」「美容情報サイトの口コミに悪口が出ていない」といった数々の、君江さんなりの基準に合う美容外科クリニックをチョイスした。

 さっそく予約の電話を入れ、医師の説明に納得が行ったら、即日注射してもらう約束をしてクリニックに向かった君江さん。

 頭の中では早くも、ほっそりした腕でノースリーブのワンピースを着こなす、可憐な自分が微笑んでいた。

正直、痛みはある
後悔しつつも注射終了

 クリニックでは、真面目そうな男性医師が、脂肪溶解注射の仕組みや注意事項について説明してくれた。特に異論も疑問もなかったので、さっそく注射を受けることに。

「ここと、ここに打ちましょうね。それから写真を撮影させてください」

 腕を前後、左右から撮影された。施術後、「効果がなかった」というクレームへの備えだという。

「思ったほど痩せなかった、とおっしゃる方もいますので」

 麻酔のクリームを塗り、注射針をスーッと刺し、すっと薬を注入する。注射針を動かし、周囲にも刺し、注入する。一旦抜き、別のところにも刺し、注入する……の繰り返し。