「41歳最年少執行役員」誕生の理由

 名古屋支店のトップである佐々木淳は、41歳の最年少執行役員です。
 彼はとにかく仕事熱心。私と佐々木が、フランクフルトにあるオミクロンという会社の営業会議に参加したときのこと。

 現地では、オミクロンが手配してくれたバスでフランクフルトからミュンヘンまで長距離移動しました。バスには、他国の代理店社員も同乗していたのですが、彼らの多くは外の景色を眺めたり、ワインを飲んだりしながらリラックスしていました。それが普通でしょう。私だって、ワインが飲みたかった(笑)。

 しかし、佐々木だけは違いました。
 メールをチェックするなど、目的地に到着するまで約5時間、休むことなく仕事を続けていたのです。

 彼は大学では文系で、卒業後はカナダに遊学をしています。海外に出たことで英語ができるようになったし、彼の視野も広がった。

 一方で帰国後、なかなか就職ができず、苦労をした経験があります。

 だからこそ、「早く一人前になりたい」という思いがあったのでしょう。

 こうした成長意欲と努力の結果、彼は最年少執行役員にのぼりつめたのです。