すでにローンを組んでしまっている人の
対処法は60歳完済

 さて、もう家を買ってしまった、という人はどうすればよいのでしょうか。

 大事なのは、「60歳完済計画」を立てることです。「60歳までに住宅ローンを完済できるかどうか」は、これから住宅ローンを組む人にとっても非常に大切なポイント。というのも、いまの30代は、65歳になるまで公的年金が受給できないからです。60歳以降に住宅ローンの返済を引きずってしまうと、家計が破綻してしまう可能性もあります。

 住宅ローンを抱えている人は、銀行へ行って60歳時のローン残高を試算してもらいましょう。たとえば、60歳時の残高が1200万円という結果で、いま35歳なら、あと25年間で1200万円をどう繰り上げ返済していくかを計画するのです。退職金をあてにせずにローンを完済すると、60歳以降の生活を安心して迎えられます。

 私の相談経験では、60歳時のローン残高を知っている人は5%もいません。住宅ローンを借りる時ですら、自分から金融機関に聞かなければ、ローン残高の推移は教えてもらえないものだからです。

 「せっせとローンを返してきたつもりが思った以上に残高が減っていなかった。50歳を超えてから、定年退職時に2000万円以上もローンが残ることに気づいた」といったパターンはめずらしくありません。20年後、30年後に「しまった!」とならないために、住宅ローンは賢く利用することが必要なのです。

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深田晶恵(ふかた あきえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。1967年生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特 定の金融機関に属さない独立系FP会社である生活設計塾クルーのメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い 手寄り」のマネー情報を発信している。15年間で受けた相談は3000件以上。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」のをモットーとしている。日本経 済新聞夕刊、日経WOMAN、日経ビジネスAssocie等でマネーコラムを連載中。
おもな著書に
『住宅ローンはこうして借りなさい・改訂3版』、
『住宅ローンにだまされるな!住宅ローン見直し編』、
『災害時 絶対に知っておきたい「お金」と「保険」の知識(共著)』、
『生命保険はこうして選びなさい・新版(共著)」(いずれもダイヤモンド社)、『女子必読!幸せになるお金のバイブル』(日本経済新聞出版社)などがある。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/
ブログ:「お金のおけいこ」http://www.akie-fukata.com/
                                        Twitter アカウント:http://twitter.com/akiefukata

 

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