2018年からはiDeCoに
奨励金を出せるようになる

 ところで、2018年からは社員数が100名以下の会社においては、社員に個人型確定拠出年金に加入してもらい、会社がそこに追加入金を行う制度が認められます(小規模事業主掛金納付制度)。

 制度活用の奨励金のような形で「自分でiDeCoに加入して老後に備えるなら毎月○○円上乗せしてあげるぞ」とメッセージを送り、社員の資産形成を支援することができます。

 この場合、必ず会社の天引きで掛金を国民年金基金連合会に入金する必要があります(社員個人の銀行口座に会社の掛金額を入金することはできない)。しかし、会社はコストを使わず、老後資産形成にがんばる社員に奨励金のような形式で追加の支援を行うことができ、擬似的な退職金制度にもなります。

 現在はまだ、詳細が未定ですが、2018年6月までに施行される見込みです。自社で企業型の確定拠出年金を実施することは難しいと考える中小企業においては、選択肢が一つ増えることになりそうです。

iDeCo加入を妨げる中小社長、<br />「イデハラ」は社員いじめ

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
1995年株式会社企業年金研究所入社後、FP総研を経て独立。ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士、AFP)、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、消費生活アドバイザー。
若いうちから老後に備える重要性を訴え、投資教育、金銭教育、企業年金知識、公的年金知識の啓発について執筆・講演を中心に活動を行っている。
企業年コンサルタントとしても活動しており、特に確定拠出年金については、業界団体である企業年金連合会で首席調査役として企業担当者の研修担当や企業向けガイドブックの執筆を行い、さらに厚生労働省社会保障審議会確定拠出年金の運用に関する専門委員会委員も務める(2017年2月から)。「人事労務」等専門記事、マネー誌でも執筆ほか、日経新聞電子版で『人生を変えるマネーハック』を連載中。
著者ウェブ  http://financialwisdom.jp  twitter: @yam_syun