昨年、足の親指の激痛に襲われたCさん、42歳。整形外科で痛風と診断、消炎鎮痛剤が処方された。医師から運動して痩せるよう勧められた──。
「二度と体験したくないような痛み」と形容される痛風関節炎(以下、痛風)。圧倒的に男性に多く、30~40代が好発年齢だ。血液中の尿酸が関節内で結晶化し、それを異物と勘違いした白血球が攻撃することで発症する。関節の腫れ、発熱、激しい痛みといった典型的な炎症反応は一過性で治まるが、高尿酸血症が続く限り発作を繰り返す。
従来、高尿酸血症は痛風が発症しなければ積極的な治療対象ではなかった。しかし、最近の研究でメタボリックシンドロームなど生活習慣病と尿酸が関連する可能性が示されたため、高尿酸血症と診断された時点で痛風がなくても、生活習慣の改善など治療を始めることが望ましいとされている。