「なぜここに置いているか」「誰に読んでほしいのか」
POPに込めた思いとこだわり

――聞けば聞くほど「忙しい仕事」という印象を受けますが、POPを書く時間というのは、どうやって確保されているのでしょうか?

一つのテーマでまとめられたエンド台。

佐藤 そうですね、書店員ってやっぱり広く浅くなんですよね。すべてに精通しているわけではない。でも、たとえばPOPをつけるといっても、ただタイトルを書いてつけるだけでは何の意味もないんです。「この本はどういうお客さんに読んでほしくてここに置いているのか」、これがわかるようにしないと。客層にマッチするようなPOPを書かないと意味がないんですが、そこまでの時間は現状ではとりづらいですね。

 結果的に悩む時間が多くなるんだったら、商品を出せ、となります。ジレンマですね。

 だからこそ、出版社の営業さんからいただくセールスポイントや情報を参考にさせていただいたりもしています。

――すごいこだわりですね。

佐藤 やっぱり置いている本には「いまそこに置くだけの意味」があると思います。この本を、こういうお客さんに買ってもらいたい、と考えながらPOPは書いています。もちろん、まだまだできていない部分がたくさんありますけど。

――すべてに意味があるので、それを伝えたいと。

佐藤 そうです。だから、できるだけPOPはつけたいと思っています。

――では、並べ方も工夫されているんですか?

佐藤 新刊なら新刊、定番書なら定番書と、お客さまがわかるように並べることを意識しています。

――先ほどお店を拝見して、エンド台ごとにグルーピングして並べられているな、と思いました。それも狙って?

佐藤 はい、意識してやっています。