担当はビジネス書だけではない
隅々まで行き届かせるために気を付けていることとは?

――根掘り葉掘り聞いて恐縮ですが、一番苦労されているのは?

佐藤 「人を使う」ということが一番難しいです。というのも、決して大きくはない店舗ですが、僕は人文・法律・ビジネスのすべてを担当しているので。

――ええ!? 3ジャンルもですか?

佐藤 そうなんです。だから、必然的にアルバイトの人たちに任せて、自律的にやってもらうことが欠かせないんです。

 たとえば、自分の分身が何人もいるんだったら、同じように考えてくれるので、新刊がきたときに思い通りに出せますけど、もちろんそうではないので。自分の意図とは違うことになっていたりすることはあります。そこのところは、結構悩みますね。毎回毎回指示は出せないので、「どこにどう並べるか」ということを、逐一言わなくてもやってもらうにはどうすればいいのか、というのは常に考えています。

 ただし、全部ガチガチに決めてしまうと、それはそれで枠から出なくなってしまうので、売上もついてこないという。これもジレンマですね。

――うまく動いてもらうために、工夫していることはありますか?

佐藤 なるべく指示はしないようにしています。まず大前提として、大枠のルールは決めてありますから、必ずそれに基づいてやってもらうようにしています。その範囲内で、自分で考えて動いてもらう、ということですね。たとえば、「新刊はここのラインに置いてね」、「面陳で置くところに棚差ししていいのは2冊まで」というルールは決めています。注文するときも、どこに何冊並べるかを頭の中に思い浮かべて発注数を割り出しています。

 一方で、アルバイトさんが自分の推している本を大きく展開したいという場合もあると思います。その例外を認めないというのではなくて、アイデアがあれば必ず報告してもらうようにしています。

――そうやって、できるだけ店の隅々にまで目を行き届かせているんですね。

佐藤 3ジャンル合わせると、フロアの半分になりますから。すべてを自分でメンテナンスすることはできないので、日々の業務は主役であるアルバイトさんに助けてもらっています。

※「誰に読んでほしいか」をとことん突き詰めて「マネジメント」していることを、はにかみながらも理路整然とお話されるのがとても印象的でした。次回は、ビジネス書の魅力から「売れそうな書籍をどうやって見分けているか」まで、語っていただきます。1冊1冊へのこだわりが次の仕掛け商品につながっていく様は、必見です。