できている人の話を聞くよりは、
できてない人がこう頑張っていると聞いたほうが
納得しやすい
相手に納得してもらうためには、相手と同じスタンスをとればいいのです。
「俺はできていて、おまえはできていない」というスタンスでこられると相手は納得できません。
「あなたはなんで上から目線でくるのですか」というニュアンスで受け取られてしまいます。
「これって難しいんだよね。僕もできてないんだよね」と言いながら、だからこうやって気をつけているんですと話したところで、相手が納得するのです。
できている人の話を聞くよりは、できてない人がこう頑張っていると聞いたほうが納得しやすいのです。
先生が生徒を、上司が部下を教える時に「私は完璧だ。あなたは不完全だ」と言われると、納得しようというモチベーションが一気に下がってしまいます。
「中谷さんは、くよくよすることはないのですか」と聞かれることがあります。
「くよくよしない人間が、こんな本は書けるわけがありませんよ」と答えています。
くよくよしない人間は「何でそんなことでくよくよするんだ」で終わりです。
「そんなこともなんでできないの」と思わず言ってしまいがちです。
そうではなくて、「これって難しいんだよね」「自分もできないんだよね」と言ってあげないといけないのです。
「だから本に書いて自分に言い聞かせているんだよね」「書くことによって自分の頭を整理しているんだよね」というスタンスで書かないと伝わらないのです。
「なんでこんなこともわからないの」というスタンスの人は、その一行で終わってしまいます。
本を書いている人はみんなくよくよしながら書いているのです。
「くよくよするな」と書いている人ほど、くよくよしているのです。
だからいいのです。
くよくよしているから、くよくよしている人の気持ちがわかるのです。
だから「ここで迷うんだよね」と書けるのです。
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