経営 × 採用

グループ会社5000社を目指すソフトバンクの「人事制度の作り方」

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]
【第13回】 2017年5月25日
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多田 フリーエージェント制度のメリットはどこにあるとお考えですか?

青野 社員自身がキャリアを能動的に考えられるようになります。会社がキャリアを作ってくれるという考え方はおかしいですし、自分のキャリアは自分で描かないといけません。よって当社は、自分が望むキャリアは自ら取りに行くという形を推奨しています。

 フリーエージェント制度もそうですし、その他の制度も自分が望んで取りに行くものばかりで、ぼーっとしていたら何も変わらない社風です。変化し続けているグループのなかで、常にいろいろな仕事や事業が生まれます。スキルを高めたかったら研修を受けにいけばいいですし、会社を作りたかったら「ソフトバンクイノベンチャー」という新規事業提案制度を利用すればいい。孫の後継者を目指すなら「ソフトバンクアカデミア」もあります。仕組みは無限にあるのです。

球団が優勝すれば球団社員にもボーナスが出る制度の意味

多田 社内からの要望や不満にはどのように対応されているのでしょうか?

青野 社員の満足度を調べるためのサーベイを実施しています。あとは、部下が上司を評価する360度評価も取り入れています。

 ソフトバンクはデータがすごく好きな会社なので、調査を数多く実施していますが、データでは見えてこないこともあります。そこで実施したのが、「会いに行く人事」です。組織人事担当が1人あたり社員約100人と面談したことをはじめ、全人事担当者総出で、1年かけて合計社員6000人と面談を行いました。

 3年間で全社員との面談完了を目指しています。人事からアポイントをとる面談は、3年に一度は設けるようにし、その人のコンディションや状況を確認していきます。あえて人事からその人に会いに行くのです。

多田 「会いに行く人事」を取り入れた理由はどんなところにありますか?

青野 その人のコンディションを確認することはもちろん、事業部自体の状況を把握するためでもあります。

 ソフトバンクでは現在AIとIoTとロボットの3つにドメインを置こうとしていますが、AIを例にすると、技術部門やシステム部門、はたまた人事部門や財務部門まで、各部署で「AI担当の社員」といったものが生まれがち。止めてはいけないのですが、ほうっておくとAI推進事業部のようなものが乱立する可能性もあります。複数の部門が同じような取り組みをバラバラに行ってしまうなどの事態が起き、そうなってしまうとリソースなどが大変もったいないんですよね。そのためスクラップ&ビルドの調整を人事が行っています。

多田 ソフトバンクには多くのグループ企業があります。グループ全体への制度などの浸透についてはいかがですか。

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企業における「採用」を考える

多田洋祐 [ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長]

トップヘッドハンターとして活躍後、人事部長として株式会社ビズリーチ入社し、入社時に従業員30人だった組織を4年で500人に拡大させる。現在はキャリア事業のトップとして事業全体を統括し、「ダイレクト・リクルーティング」の日本での本格的な普及に努める。

 


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これまで数々の企業と対話を重ねてきた採用コンサルのプロが企業に横たわる経営課題をトップに直撃、その解決策について議論する。

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