ビジネスでは「黙っている人」に価値はない
そもそもビジネスでの議論や会議における参加者の付加価値とは何でしょう? それは、まずは発言することにあります。
大きな声で中身のない話をだらだらと繰り返すのは問題ですが、それでも、まったく発言しないよりはましです。何かしら発言しないかぎり、その場にいる人に価値を提供することはできません。
中身がずれた話でも、話しているかぎりにおいては、何かの気づきを参加者に与えるかもしれません。その意味で、発言しないのであれば会議室に座っている価値はまったくありません。
コンサルタントは「この状況ではこうすべき」「あなたの説明は間違っている」「選択肢はAしかない」など極論やシンプルな発言を好む傾向があります。その結果、議論が深まれば、たとえ間違った仮説であってもそれは価値のある仮説といえます。ポジションを取った主張は、それがきっかけとなり周囲の反論や賛成を引き出すことができます。
とはいっても、発言するのはなかなか勇気がいるものです。「自分は間違っているのでは?」「ずれたことを言ってしまうのでは?」など、とかく不安になりがちです。「自分の考えに自信がない。笑われるのでは」と思う方も少なくないと思います。
じつをいうと私自身も、マッキンゼーに入ったときは同じ状態でした。
そんな方におすすめなのは、「いまおっしゃったのは○○という意味ですよね」や「ちょっとおたずねしていいですか」など、質問形式で話を振ってみること。
質問形式であれば、「否定されてもかまわない」という気持ちで発言できますし、みんなが考えるきっかけになりやすく、深い議論を引き出すこともできます。