複数回の実験の結果、「敷地内に2003年から厚労省が推奨する『一定の要件を満たす喫煙室(※3)』を設置しても、たばこの煙が喫煙室の外に漏れ出て基準値を超えるため、受動喫煙を防ぐことはできない」と明らかになった(図2参照)。

【図2】分煙しても煙は拡散してしまう

エアコンで拡販された煙は禁煙区域にも拡散 作成:産業医科大学・大和浩
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 実験やデータ解析によって、4点の理由がわかった。

 (1)ドアの開閉のたびに、たばこの煙が押し出される
 (2)喫煙室から出てくる喫煙者の体の後ろに空気の渦ができ、たばこの煙が巻き込まれる(厚労省の要件を満たす出入り口の風速より歩行速度のほうが速いため、このような現象が起こる。図3参照)
 (3)喫煙者の吐く白い息にたばこの煙が含まれる
 (4)喫煙者の服や髪の毛に付着したたばこの煙が含まれる

【図3】喫煙室から煙が持ち出されてしまう

作成:産業医科大学・大和浩

 「前述と同じ条件の部屋に3台の換気扇を設置したうえで、室内外のPM2.5を測定したこともありました。でも、やはり、廊下のPM2.5濃度は基準値を超えることがあり、有害物質を含んだ煙が漏れ出ていました」と大和教授は説明する。