学校現場で今後、
どんな授業が行われるか?

 さらに、現場で英語を教える先生が全国で何万人も必要になりますが、文法中心の教育を受けてきた普通の成人を、短期間に何万人も4技能型講師に育成するのは至難の業という大問題があります。

 4年間かけてどんな授業が行われるかも容易に想像がつきます。

・単語を絵に置き換えて、絵を見ながら覚えさせる
・アルファベットに慣れさせることを目標に掲げ、英語に自信がない先生も決して間違えない「ローマ字」指導にたっぷり時間を費やす
・apple, park, police, stationといった2~3か月あれば覚えられる600単語を、きれいに書き順とつづりを守ってノートに書き写す「書き取り」で4年間を費やす
・文法を中心に教え、時間をかける(潰す)ために何度もペーパーテストする
・小テストで間違いを指摘しては「まだちゃんと覚えていないね」と復習させる
・ときおりネイティブ(外国人)講師がやってきて、「元気?」「天気は?」「時間は?」「好きな動物は?」など4年間変わらないレベルの会話をする

 どうでしょうか?
 ちょっと不安になってきませんか?

 そんな「12歳以下の子たちに英語を教えるためのメソッド」を、本書では誰でもできるように紹介していきます。家庭だけでなく、学校で教えることになる数万人の英語教師のみなさんにも、ぜひ実践していただきたいと思います。