大学なのに図書館が1年間閉館!?
トンデモ決定は誰が行ったのか

 事の発端は昨年秋、私も委員を務めていた「図書行政商議会」の会議でした。東大総合図書館は関東大震災からの復興の過程で、ロックフェラー財団からの寄付により1928年に建てられました。老朽化が著しく、改修工事の必要性に迫られており、当初は数年をかけて段階的に工事をする予定でした。ところが国の補正予算がまとまって付いたため、なんと2017年春から1年間、図書館をほぼ全面閉館して工事をすることになったのです。

 東大の総合図書館が1年間も閉館するなんて大事件ですが、私が驚いたのは、この重大な決定を正式に下した形跡が「ない」ことでした。

 図書行政商議会は、図書館運営の意思決定を正式に行う機関のはずですが、そこに出た議題は「1年間の全面閉館のあいだ、代替措置をどうするか」というものでした。その会議の前に、私が欠席した委員会があったのですが、その議事録を見ても、「代替措置」のみが話し合われているのです。つまり、誰が「事実上の閉館」という重大な決定を下したのかが見えてこない。

 恐ろしいことに、いつの間にか「1年間の全面閉館」が既定事実となっていたのです。おそらくは、補正予算は年度内消化が大原則であって、工事を担当する部局が「予算も付いたことだし、1年間閉館して一気にやってしまいましょう」と提案したことが、いつの間にか「決定事項」となったのでしょうが、こんな重大決定を「きちんとプロセスを経て決めない」こと、そして「明らかにおかしな話なのに、誰も異議を唱えないこと」に私は愕然としました。

 この会議に出席しているのは各部局の図書関係の代表者である教授ですが、誰も「それはないだろう」と声を上げなかったのです。文学部の某教授は、学生にしこたま勉強をさせることで知られる厳しい先生なのですが、この教授ですら「うーん、1年間も閉館だと学生が困るだろうなぁ…」と、独り言のようにつぶやくのみ。

 私は日頃、「東大エリートに知識を与えたら、他人を支配する道具にするだけだから、勉強なんかさせるな!」と公言しているのですが、予算がつかないから閉館するならまだしも、「予算がついたから閉館」なんて理不尽過ぎると思いました。そこで、こんなこと認められないと発言したのですが、大半の先生方は沈黙でした。そうしたら図書館長は、代替策をいまここで話し合わないなら、時間切れになるかもしれぬがそれでも構わないのか、と脅すのです。多勢に無勢でそのまま押し切られてしまいました。