大人の普段の足は軽トラのクルマ社会

バイタリティ溢れ、チャンレジ精神いっぱいの、河合永充・永平寺町・町長 Photo by Kenji Momota

 まず、市内の国道では京福バスの路線バスが走っているが、「200メートルの移動でも、軽トラックを使う人が多い」というクルマ社会であり、路線バスは免許を持たない小学生や中学生の通学が主な需要で、住民の利用頻度は低い。

 町としては、自宅近くで乗り降りが可能なコミュニティバスを、年間約5000万円を負担して運営しているが、走行経路の再編などを行うなど利便性を考慮した対応をしているにもかかわらず、乗客数は伸び悩んでいる。

 また、冬場になると除雪が必要となる地域が多いが、若い人が減って除雪が困難になる世帯が増えている。

 その他、同町の総合政策課が指摘したのが、オンデマンドのバスやタクシーの問題だ。町として導入を考慮するため、老人会などでの聞き取り調査をしたところ「自分ひとりのために、わざわざバスやタクシーを呼ぶというのは、ご近所に対して気が引ける」という声が多く、導入を見送ったというのだ。

 こうした状況の中で、今後は住民の高齢化がさらに進むと、自宅からあまり外出できない住民が増え、その対応として結果的に町の社会保障費の負担が増える。ところが、繊維産業などの既存産業の事業所が減っており、歳入は県や国などの交付金に頼る比率が今後さらに高くなっていく。安定した町の財政を維持するためには、町としての自主財源の確保が必然となる。

 このような社会課題に対して、(1)自動運転を観光の起爆剤として、企業の投資を呼び込みたい。(2)自動運転の研究開発拠点を設置するため、市街化調整区域などに関する規制緩和を進めたい、としている。

 つまり、実証試験だけでなく、自動運転を町の産業として継続的に育成するというのだ。こうした自動運転の実用化による、本気の町おこしを提唱している自治体は稀である。