私が男だったら
深田さんにプロポーズしていたでしょうね
――他にはどんな話を?
木村 それこそお互いの生い立ちから、お互い結婚したときの話など。それはそれは6時間ですから…。あとは内緒です(笑)。
――それだけ時間を共有すると、しかも緊急時、著者と編集者の関係は一気に進んだのでは?
木村 そうなんです。エレベーターに閉じ込められた男女に愛が芽生えるっていいますよね。まさにそんな感じです。いつ帰れるか分からないし、携帯の電池はなくなってきて段々ネットで情報を取るのも控えていましたし。おまけに3月で寒さもあり不安な情況のなか、ご一緒させていただいた。あれで一気に親しくさせてもらうようになりました。
私が女だったのがよかったです。だって男だったら、深田さんにプロポーズしていたでしょうね。そうしたら私の家庭は大変なことに(笑)。
――喫茶店を出た後は?
木村 夜の10時にお店が閉まっちゃったので、それから近くの居酒屋に移動しました。そこで1時間弱いましたが、この後、深田さんのご主人が迎えに来てくれることになっていたので、初対面で酔っ払っているのも何かと思い、残念ながらお酒は控えました(笑)。まだまだクルマは動かなかったのですが、地下鉄が動き始めたのでそれに乗って秋葉原まで移動して、そこで深田さんのご主人と合流できました。その日は家についたのは、午前4時前でした。
――この本は、震災の翌日から動いた?
木村 いえ。実は地震の翌週、14日(月)の週は比較的のんびりしていたんです。まだ余震もあり原発の問題も出てきたばかりで、しかも電車が動くか動かないかという時期でしたよね。計画停電もありましたし。なので、まずは4月に刊行を予定していた『30代で知っておきたい「お金」の習慣』の発行を延期することにしました。
ですから、14日、15日、16日あたりは、ほかの4月売りの本もあったので、この本は動き出していなかったんです。