――では、いつから動き出したの?

木村 震災の日に深田さんと6時間お話していたときに、「これからは地震保険が重要になる」というような話をしていました。そこで「クルーのメンバーに地震保険の専門家がいる」という話も伺っていたので、その本の企画書を作ろうと、その著者の清水香さんからメールで資料をいただいていたりしました。(これは結局、『地震保険はこうして決めなさい』という書名でこの6月に出版しました)

 一方で生活設計塾クルーのメンバーは、14日から他社のサイトの連載などで、震災時のお金の話をそれぞれの専門分野について執筆され始めました。それで弊社でも、震災に遭われた人が必要な情報をダイヤモンド・オンラインで緊急連載してもらうことになりました。それが16日(水)からだったと思います。

 そうこうしているうちに、これは紙媒体のかたちにして早く出したほうがいいと思うようになってきました。そう思って会社のデスクで企画書を書いていたら、ちょうど営業の人が来たので、その企画書をプリントして「こんなのどうでしょう」って聞いたんです。

 そうしたら、この営業のTさんが、「これは一刻も早く出しましょう!」って言ってくれて。それが始まりでした。

――社内の企画会議とかは?

木村 当然、そういう通常の意思決定のプロセスでは間に合いません。だから、営業部長に18日(金)にメールをしたのですが、返事が来なくて。19日からは3連休だったので、急いでツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で簡潔に打診すると、「すぐにやろう」と返信をくれました。私も上司である編集長にメールしたら「いいですね、すぐやりましょう」って。それが19日(土)の午前中です。これで準備が整いましたので、深田さんに、企画の趣旨をお伝えして依頼したところ、その19日の午後にお会いして打ち合わせしようということになりました。結局、休み明けの22日(月)には関係者の合意はほぼ取れていました。

 震災の日、約18時間も一緒に過ごすと人間関係が生まれるのは分かるような気がします。明日は製作過程を聞きます。

 

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