思い切ったタイトルでシリーズ16万部越えを達成した『バカでも年収1000万円』。成功には「著者への共感」と「計算された本づくり」がありました。社内きっての熱血編集者であり、自ら「おバカ」と称する飯沼一洋君に話を聞きました。

著者と意気投合。
もう、ガッツリ「バカ握手」でした

――この本のいきさつから?

シリーズ累計16万部を突破した『バカでも年収1000万円』。

飯沼 著者の伊藤喜之さんはエリエス・ブック・コンサルティングが主催する「10年愛される『ベストセラー作家』養成講座」の5期生なんです。その卒業プレゼンで「審査員」として僕が参加させてもらったんです。そこで40人の人のプレゼンを聞きましたが、その中で3人、すごくいいなと思う人がいました。そのひとりがこの『バカでも年収1000万円』の著者の伊藤さんでした。

 なんというか、「人としてのポテンシャル」がぶっちぎっていたんですよね。

――この講座は?

飯沼 この「10年愛される『ベストセラー作家』養成講座」というのは、半年間、元アマゾンのバイヤーで講師の土井英司さんからみっちりと「ベストセラーになるために」鍛えられるという講座なんですね。そして「卒業プレゼン」に向けて本のコンテンツを作り上げていくのです。プレゼンは、企画書と4分間のスピーチです。当時の企画書のタイトルは、『就活ナシで年収1000万円を実現するおバカのためのキャリア術』というようなタイトルだったと記憶しています。もちろん、このままのタイトルでは、本は売れないと思ったのですが、とにかく、伊藤さんの人としてのポテンシャルに惹かれました。

 それに、「目次」の中のポイント、ポイントでは、すごく本質的なことを、今までにない視点で書いてあって、これはいいなぁと思ったんですね。伊藤さんはこの時27歳でしたが、この年でこういうことが分かっているのは凄い!と。それですぐにガッツリ「バカ握手」をしたんですね。

――「バカ握手」とは?

飯沼 「あなたもバカですか?僕もバカですよ!」という握手です(笑)。僕自身、偏差値30台で、現役ではどこの大学にも受からず浪人し、自分がおバカで、かなり遠回りの人生を歩むことになりました。頭のいい人は一流高校から一流大学に行って、一流企業に入りますよね。その中にはもちろん立派な仕事をしている人が大勢いますが、中にはロクな仕事もしていない人もいる。そのくせ、一流企業でのうのうと、その地位に甘んじている人に対して、おバカだってやれるんだぜ!っていうことを証明したい。そういう「おバカ万歳!」という思いをともにするバカ同士ということです。

一目惚れしたほど凄かった?

飯沼 その4分のプレゼンがすごかったんです。気迫というか、「ニセエリートに強烈なミサイルを撃ち込んでやる!」というエネルギーです。おバカだって輝ける!おバカよ今こそ立ち上がれ!という気迫ですね。

 だからお会いした日に「出版」を決めて、翌月には、まだ企画書も粗いレベルでしたが、社内で企画を通しました。それから目次構成の見直しをじっくり、一緒に開始しました。