成長鈍化は先進国に共通した現象だ。潜在成長率「1%弱」とされる日本が「2-3%成長」を前提にマクロ政策を立てている現状に無理がある。

 そのような認識から「経済成長は否定しないが、成長に依存しない」(前原)という政策スタンスを民進党は打ち出した。

「経済成長、格差是正、財政再建、これら全てを目的から結果に変え、すべての生活者が将来不安から解き放たれるための道筋を力強く踏み固めてゆく」

 と中間報告はうたっている。「将来不安の解消」の中味として、以下のような項目が挙がっている。

 就学前教育の無償化、保育士等の待遇改善、学校給食の無償化、所得制限なしの高等教育の無償化、大学授業料の大幅減面、給付型奨学金の拡大、国費留学の拡大、職業教育・再就職支援の拡大、若年世代への住宅支援、同一労働同一賃金に基づく賃金支払いの推進、医療・年金不安解消のための施策、介護従事者の待遇改善による雇用およびサービスの確保、生活保護のうち生活扶助以外の部分の対人社会サービスへの置き換え、見えない障害の可視化と財政支援、地域包括ケアシステムの再構築、地方自治体への権限移譲。

 自己責任で負担してきた費用を「みんな」が引き受ける。つまり政府が負担する。その負担増を「みんな」で担う。北欧型の「大きな政府」である。

 政策を担うには、財源を消費税とするなら少なく見ても税率を15%程度に引き上げることが必要だ。仮に15%にしても欧州諸国では税率が低水準の部類だという。

マスコミは冷ややかな扱い
新しい時代は静かに産声を上げる

 新聞やTVは、無視ともいえる冷ややかな扱いだった。首相の宣伝めいた振る舞いや政府発表ならこまめに報ずる公共放送も、野党の経済政策ニュースは素通りだった。

 落ち目の民進党が模索する、突拍子もない経済政策など構っていられない、というのが今のメディア状況だ。