世界各国の強豪相手に、決して引けをとらなかった
日本人の宴会文化

 色々な国の連中を招いて開くパーティー。

 それは、お酒もたしなみつつ馬鹿話や楽しいゲームで盛り上がる一方で、真面目な話でお互いの絆とお互いの国の理解を深めるといった国際交流にとって、いや留学という機会に海外の見聞を広め友人を増やすためにも大事な場だ。

 ただ、問題は、異国の人間が一つの場所に集まった時に、そしてそこにお酒が入ると何が起きるか、である。

 これが文化人だと、文化や歴史の話で盛り上がるんだろうが、僕たちはビジネス・スクールの学生であり、そんな高尚な話は30分と続かない。次第に面白可笑しい話になっていくわけで、お酒が進み、胸襟を開いてくるにつれて、最後は結局、「で、お前の国と、俺の国、どっちが酒強いんだ?」という子どもの喧嘩のような話になるわけだ。

 我々チームJAPANはそういったお酒の「挑戦」を沢山の国から受けてきたが、悪くて引き分け、だいたいは完全な勝利をおさめ「無敗」を誇っていた。そもそも元日本の最前線営業マンが4人もいたから負けるわけがないのだ。

極上の宴会文化を誇る日本にとって
最大の強敵、それは韓国だった!

 ただ、そんな僕達日本人軍団に真っ向から勝負を挑んできた国があった。

 お隣の国、韓国人軍団だった。

 基本的に日本人留学生と韓国人留学生は仲がいいのでよくお酒を一緒に飲む機会が多い。

 ただ、「どっちが強いのか」というこの究極のバトルにだけは一度も踏み込んでいなかった。

 お互い「よく飲むお国柄」というのは分かっていたので一旦どちらかが仕掛ければ、究極の戦いになることが分かっていたので意識的に避けていたのだ。

 だが、2年もいればその禁も破られることになる。