完膚なきまでに叩きのめされた韓国エース
との偶然の再会!火蓋は再び切って落とされるか。

 そして、5年の月日がたった。

 今年の6月に学校が開く5年に一度の2泊3日の「同窓会」があった。参加率が7割近い。多数の国から同窓生が一堂に集うという大々的なイベントである。

 最後の夜を飾るのは、美術館を貸し切ったお洒落なパーティーだった。

 僕は、旧交を温め、ワインをワイシャツにこぼし、それでも本当に色々な国の懐かしい友人達と楽しいひと時を過ごしていた。

 そして、トイレにいったときだ。

 となりで用を足していた奴をふと見たら、なんと、あのスーパー韓国人のPJだった。

「ここで会ったら何年目」僕達は無言で見つめあった。

 あの時のリベンジをすべきか。

 5年来の屈辱を晴らすべきか?

 それとも向こうから「またやろうか?」と誘いがあるのか。

 もう一回勝負しようぜとくるのか。

 一触即発とは、このことだっただろう。

 PJと僕は無言で見つめあった後、眼と眼で会話した。

「お互いやりだすと止まらないよな。今日は上品なパーティーだしやめとこうか」

 僕達は無言でうなずくと、トイレの中にもかかわらず堅い握手と全身を包むようなハグをした。

 PJが耳元でほっと一息ついたのが聞こえた。どうやらPJも僕らのシツコサはこりごりだったようだ。

 この決着はいつか付けなくてはならないと思っている。

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【著者】児玉教仁
1972年生まれ。静岡県出身。清水東高校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ1992年に初渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を卒業。1997年三菱商事株式会社へ入社。2004年ハーバード・ビジネス・スクール入学。06年ハーバードMBA取得後、三菱商事に帰任。2011年同社を退社、国際社会で活躍できる人材の育成を目指したベンチャー企業、グローバルアストロラインズ株式会社を立ち上げる。本書が初めての著書。