私:「心を整えるために、日頃どんなことをされているのですか?」

A氏:「特に決まったルーティンはないけれど、頭脳が疲れたと思った時に、瞑想の状態を作ることを心がけているよ」

私:「瞑想の状態を作る、というのはどういうことでしょうか?」

A氏:「瞑想のために『座る』場所がない場合がほとんどだからね」

私:「つまり、実際に座って瞑想をする、ということではないのですね?」

A氏:「あぁ、そうだ。職場で突然座って瞑想するわけにはいかないだろう?」

私:「そうですね」

A氏:「だから、どんな場所であっても、瞑想をしているような感覚を保てるようにしているんだ」

私:「例えば、どんな時に瞑想状態になるのでしょうか?」

A氏:「ほら、この前、一緒に昼食の時間に、銀座で画廊を見て回っただろう?」

私:「はい、覚えています」

A氏:「食事の後のたったの15分間だったけれども、個性的な絵画や陶芸を観ることは、ボクにとっては瞑想をしているのと同じことだ」

私:「『美』に触れることが瞑想の状態になる、ということですね」

A氏:「そうだ。一級品を愛でることは、ボクにとって至福の時だからね」

私:「短い間でしたが、画廊で見入っていらっしゃいましたものね」

A氏:「あの15分間のおかげで、午後からの仕事の効率がグンとはかどる。能町さんも、自分の好きなことに心から没頭してみるといい。それだけで充分、瞑想のような効果があるから」

私:「はい、ありがとうございます」

A氏:「日本の多くのビジネスマンが、スポーツジムに行って汗を流すことに躍起になっているようだが、もっと簡単に心を整える方法があることを知ってもらいたいものだ」

 このように、一流のリーダーは、職場での細切れ時間を使って、「瞑想」状態を作り出しています。