グーグル、インテル、ゴールドマン・サックスなど大企業が次々に導入し、世界的なブームになっているのが「マインドフルネス」だ。マインドフルネスとは「意図的に、今、この瞬間に、価値判断することなく注意を向けること」。その代表的な実践法が、雑念を取り払い、呼吸に集中する「マインドフルネス瞑想」だ。
アメリカの経営大学院でもマインドフルネスを学ぶ授業が次々に開講されつつあるが、その先駆者ともいえるのがスタンフォード大学経営大学院だ。世界のエリートが学んでいるマインドフルネスの授業とは?6月22日発売の書籍「スタンフォードでいちばん人気の授業」(幻冬舎) で紹介されているリア・ワイス博士のインタビューを2回にわたってお届けする。
米国のリーダーたちが夢中になる
マインドフルネスとは何か
佐藤 ワイス先生が教える「マインドフルネスと思いやりのリーダーシップ」という授業がスタンフォードで大人気だそうですね。「マインドフルネス」がアメリカで流行っているのは知っているけれど、一体何なのかがよくわからないという人は多いと思います。ワイス先生がスタンフォードで教えているマインドフルネス瞑想と、仏教の座禅の違いは何でしょうか。
ワイス マインドフルネスが仏教に由来しているのは確かです。しかし、マインドフルネスは、どのような宗教を信じている人でも実践できるように、宗教性を一切排除しているのが特徴です。たとえば私のクラスには、敬虔なイスラム教徒、正統派ユダヤ教徒、福音派キリスト教徒、カトリック教徒、ヒンズー教徒などがいますが、だれでもマインドフルネスの瞑想や演習に参加することができます。