経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、従来のレンタカーサービスに加え、若者を中心に利用者が必要なときだけ自由に車を使用するサービス「カーシェアリング」も人気を集めている。会員間で車をシェアし、数分単位から利用できる手軽さが魅力で、事業者数、車両数、貸渡拠点数ともに増加傾向にあるという。

 都心部で顕著な自動車普及率の低下の裏側には、コストのかかるクルマは所有せずに、レンタルで済ませようという合理的な選択があるようだ。

「若者のクルマ離れといわれますが、需要自体がなくなったわけではありません。レンタルでのクルマの利用が活発になり、むしろ若者にとってクルマは身近な存在になってきているのではないでしょうか。クルマには、実際に乗ってみて、初めて分かる良さがありますし、とくに普段なかなか乗る機会のない高級車であればなおさらです。そのきっかけを提供して、若いクルマ好きを増やし、自動車文化の発展につなげていきたい」(同)

日本文化としての国産車は
訪日外国人にも人気

 同店には、世界中の好車家も、はるばる海を渡ってやってくる。

「英語版のWebサイトを立ち上げたところ、訪日外国人客の利用が急増しました。彼らの撮るフォトジェニックな写真がSNSにアップされると、口コミはまたたく間に広がります。今では、全体の売上の3割を外国人客が占めています」(同)

 アジア圏のほか、ドイツ、フィンランド、チェコなど、国籍はさまざま。その年齢層は、意外にも20代から30代の若者が多いという。

「彼らの多くは、世界的に有名なレーシングゲーム『グランツーリスモ』シリーズなど、日本のゲームやマンガなどのカルチャーを通じて、日本車に興味を持った世代です。マンガでは『イニシャルD』が大人気ですね」(同)

 先日は、台湾から訪れた若者グループが、映画版『イニシャルD』の劇中に登場する『AE86』に乗り込み、ロケ地となった群馬県の榛名山への“聖地巡礼”を楽しんでいったという。日本車は、彼らにとってひとつの文化として受け入れられているようだ。

 変わり種のレンタカーショップは、クルマを通じて、多くの利用客にひとときの“夢”を貸し出す存在なのだ。