宅配版LCCを設立すれば
業界は発展、拡大する

 こうした観点から、宅配業界の経営を今一度考えてみたい。

 特集の第1回で触れたように、宅配サービスのLCC設立、つまり宅配ボックスネットワークを基盤としたセルフサービス化を進めることで、ドライバーなど宅配員の増員や、会社全体の人件費増加を抑えることは十分に可能だ。

 セルフサービスになれば、この業界が抱えている「再配達問題」も同時に解消される。現状の作業よりもよりシンプルな業務になるため、宅配員への負担も軽減される。また、夜間に宅配ボックスへ配送するチームを組成すれば、昼間の交通渋滞を緩和できるなど、いわゆる社会的費用の緩和にも貢献する。

 また、こうした変化により、前述した三つの法則の効果も生まれる。
 
 宅配料金はおそらく劇的に下がるであろう(第一法則)。宅配料金が劇的に下がれば、ECでの購買はさらに増えるだろうし、リアル店舗で購買したものもわざわざ自分で持ち帰らず、宅配するようになるであろう(第二法則)。そして、宅配ボックスネットワークを作った企業が、消費者のビッグデータを使ったビジネスを展開したり、宅配ボックスをメディア化したりして、新しい覇権を模索するであろう(第三法則)。

 ところが、現在の宅配業界は、送料の値上げや、総量の減少を図るといった戦略を取っている。これでは社会的厚生を減価させてしまう。新たな参入者が宅配版LCCを作るのか、それとも既存の宅配企業が傘下にLCCを持つのか。今、決断とスピードが求められている。

>>第3回はこちら「書斎やキッチンを家から追い出す「時間・空間の経済革命」が始まる」