ただビジネス面はさておき、ここは生命科学の進歩が、小さな命を救う可能性に注目したい。カナキヌマブは遺伝子組み換え技術でつくり出された代替タンパク質で、炎症を引き起こすIL-1βの動きを封じ、炎症反応を抑える。なにより、カナキヌマブを投与された患者は症状が軽快し、普通の子どもと同じ生活が送れるまでに回復することが実証されているのだ。さらに国内承認がかなえば高額療養費制度を利用できる。必死の思いで高額の治療薬を個人輸入してきた患者・家族の負担も改善するだろう。

 欧米に遅れること3年、暗闇にひと筋の光が差し込み始めた。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)