「一生涯の保障」にはこだわらない
「がん保険」には、一生涯の保障を確保する「終身」タイプと、一定期間の保障を持つ「定期」タイプがあり、前者が多数派です。しかし、私は一生涯の保障にこだわる必要はないと考えます。
理由は、冒頭に、(がん保険には)まとまったお金のために1円でも安く入るべき、と書いたとおりです。もう一度、宝くじにたとえると、たくさんのクジを買い込まない方がいいのと同じように、売り場に通い続ける期間も短い方がいいはずだからです。クジを購入する期間は短いほど、代金の総額も安くなります。
したがって、「念のため、入っておかれてはどうですか?」と、おすすめしておきたいのは、若年層から50代くらいまでです。中高年までの世代が、10年ならば10年という一定期間、安くそれなりの保障を持つための「定期」タイプの「がん保険」を利用するというのがいいと思います。
現状、市場においては「終身」タイプの「がん保険」が優勢なのは、おそらく「保険会社の都合」が大きいのではないかと感じます。まず商品単価が定期より高くなりますし、「保険料はずっと変わりません」「保障が一生涯なので老後も安心ですね」などとお客様の気持ちをつかみやすいアピールポイントもあります。
つまり、保険の使い方として望ましい、という理由で終身タイプが普及しているわけではないだろうと思うのです。私は、こうした状況をなんとか変えて「定期」タイプの価格競争を本格化させたいと願っています。保険会社を変えるのは消費者の「外圧」です。ぜひ「定期」タイプを中心に選択して頂きたいと思います。