法政大の女子志願者の推移を、1997年当時、女子志願者の実数が1万4000人前後で拮抗していた明治大と比較してみよう。

 前述の積極的な改革が奏功して、99年から2003年までは法政大が上回った。その後、横ばいとなり明治大を下回っていたが、15年から17年にかけて右上がりの弧を描き、女子志願者は14年と比べて1万人近く増加している。その結果17年は明治大を上回り、総志願者数も逆転した。

女性総長誕生が寄与
留学制度も充実

 キャンパスリニューアルでは、00年に市ヶ谷キャンパスにボアソナード・タワー校舎を建て、多摩キャンパス(同・町田市)と小金井キャンパス(同・小金井市)に新校舎を建築した。さらに、1999年から2003年にかけては現代福祉学部やキャリアデザイン学部など数多くの学部や学科が新設されている。

 法政大は14年に生命科学部を改組して以降、学部(学科)の新設など、大きな改革をしていない。それなのにどうして女子の志願者が増えたのだろうか。答えは総長にありそうだ。首都圏の大規模総合大学の中で、初の女性総長である田中優子総長は14年4月に就任して現在に至る。まさに、女子志願者が増えた時期と符合しているのだ。代ゼミの坂口氏は、こう話す。

「初の女性総長の就任により、“男の大学”というイメージを払拭できたこと。さらに古いものにとらわれていない、先進の気風を感じる受験生が増えたのでしょう」

 大規模な学部・学科組織やキャンパス改革などにより下地ができたところに、女性総長が就任した影響力は大きい。受験生の保護者は言う。

「これまで子どもが通う大学の総長に興味を持つ母親は周りにいませんでしたが、テレビ出演などメディアに露出することで田中総長に親しみを持つ母親が増えています。娘に法政大を勧めるケースも増えているのではないでしょうか」

 もちろん、大学自体の魅力も大きい。奨学金制度を含む充実した留学制度に裏打ちされ、法政大は全国の大学でもトップクラスの留学生派遣数を誇る。文部科学省によってスーパーグローバル大学に採択されたことで国際性が際立ったことにより、男子より積極的で留学に前向きといわれる女子が反応するのは当然ともいえる。ちなみにスーパーグローバル大学の採択は14年。この点も、その後の女子受験者の増加と符合する。