食事で変わる!ストレス耐性が高い社員の生活習慣のつくり方よく眠れず疲れが取れないという悩みは多くの人が抱えています。そこで、原因をストレスのせいだと決めつけず、朝食や生活習慣を見直そうとする発想はありますか?

社員のメンタルヘルス問題
医療に頼る前に職場でできる対策

「卵が先か鶏が先か分からないけれど、メンタルヘルス不調者が多い部署はハードワークで食生活も乱れている気がして…」「メンタルヘルスケア系のセミナーを色々試したがいまいち何が効いているか分からないので、趣向を変えて依頼してみました」

 そんな流れから、メンタルヘルスケアと食について社員向け研修をさせていただく機会が増えてきました。私は精神科医でも心理士でもありませんが、栄養士として心療内科クリニック併設の研究所で食事カウンセリングをしていたことも、きっかけのひとつになっているかと思います。

 メンタルヘルスと食事を結びつけること自体は主流ではありません。依頼する側も確信を持っているというよりは、「メタボの社員も多いし、食に関する知識を身につけるのは悪いことはないだろう」という淡い期待による打診であることがほとんどです。

 ただ、こうした期待は的外れではないと思います。なぜなら、「ストレスに強くなる生活習慣」は確かにあるからです。逆を言えば、生活習慣次第では、ストレス耐性が落ちてしまうこともあり得るのです。

 たとえば、定期的な運動はストレスを軽減すると言われています。運動していい汗をかくことはメンタルヘルスにも良い、というのはイメージしやすいでしょう。

 ストレスに強い生活習慣は、運動だけにとどまりません。毎日の食事によっても作られていくものです。したがって、社員のメンタルヘルスを気にかけて、食の知識を深めるサポートをすることは、メンタルヘルス不調を予防すると同時に、治療を後押しすることになります。