私はかつて、LINEが開発された背景を取材したことがあります。開発中に東日本大震災が発生。あのとき誰もが真っ先にしようとしたことは、家族や親類、友人たちの安否確認でした。

電話、メール、SNSもすでにありましたが、「誰もが使いこなせる、もっと簡単で便利なメッセージサービスが必要だ」という開発者の思いが、プロジェクトを牽引していったといいます。

目指したのは「シンプルに結論だけを伝えられるもの」
そして「伝わったかどうかがわかるもの」です。

実際、LINEは、ユーザーが思わずそうしてしまうように作られています。メッセージをやりとりする画面は、長い文章にそぐわない。むしろ、短いメッセージを入れたくなる。「既読」の表示で、メッセージを相手が読んだことを確認できる。

そして、最近は、それがあたりまえだという風潮ができつつあります。用件だけをストンと伝えることが、普通になりつつある。LINEで、メールのような「●●様」という宛名や、「いつもたいへんお世話になっております」のような仰々しい前置きが入っていたら、違和感があるはずです。

ビジネスで用いられる文章も、同じです。文章の表現力や長い前置きよりも、「結論」や「言いたいこと」をわかりやすく、正確に伝えることが最大の目的でしょう。

このLINEの特徴を、ビジネスに活かそうとする会社もどんどん現われています。
それこそ、LINE株式会社自体がLINEをフル活用していました。