「これは、日本が世界に誇れる文章作成法だ」と神田昌典氏が評する『6分間文章術』。著者の中野巧氏が10年間の文章メソッドを結晶化させたものだ。トヨタ、ソニー、三菱東京UFJ銀行、DeNA社員だけでなく、大学教員、女子高生、小学生からも続々驚きの声が寄せられている。そんな中野氏は、「文章は原稿用紙に書いてはいけない!」と言う。その意味を語ってもらった。
なぜ、文章を書こうとすると、手が止まるのか?
私は何を書いていいかわからずに、1行目から手が止まり、机の前でフリーズしてしまうことがよくありました。
そして、文章を仕事にするようになって、いろいろな方と話していると、同じように困っている人がたくさんいることに驚きました。
机の前で、ただただ時間がすぎていくと……
「何も書くことが思い浮かびません」
「読み手に有益な情報を伝えられません」
「私には文章力がないんです……」
と、どん底スパイラルに吸い込まれていきます。
文章を書くことは、アウトプットすることです。
アウトプット(出力)するには、インプット(入力)が必要となります。
文章が書けない理由のひとつには、【情報(インプット)不足】ということがあります。
仮に、いくら文章力があったとしても、情報を持っていなければ書くことはできません(想像力が目覚ましい天才は除きます)。
石炭がなければ、火が燃えないのと同じように、書くためも最低限の材料(情報)は必要なのです。
私は、文章を仕事にしていますが、
「20代のOLさんに向けたグラノーラの記事を、いま書いてください」
と言われても書けません。
「えーーっ、文章のプロなんでしょー」
と言われても、残念ながら書けないものは書けません。
なぜなら、グラノーラについての知識はゼロですし、20代のOLさんが、いったいどういった方々なのかも知らないからです。
その人たちに響く文章を書くために、どんな記事を書いていいのか、見当もつかないのです。