だが、一世を風靡したものの、その後ブランド力はどん底に落ちていった。他社からも強力な競合商品が登場する中、当初の革新的なイメージはマンネリ化し、消費者に飽きられてしまったのだ。

 販売数量は最盛期の半数に落ち込み、店頭では、数量を確保するために過度な安売り競争を仕掛けるなど、悪循環に陥った。

 小手先の対策だけでは、いずれ生茶は淘汰される。商品そのものの抜本的な変化が必要だ――。キリンビバレッジで生茶の企画に携わるマーケティング部商品担当主任の川口尊男氏は、当時の焦りをそう振り返る。

 15年、生茶の本格的なリニューアルに向けたプロジェクトが動き出した。リニューアルのポイントは主に3つあった。

(1)ボトル
(2)味
(3)コミュニケーション

ハートランド(右)と生茶。形はそっくりだ。スマートなボトルがテラスに映える

 一つ目は、革新的なボトル形状の追求だ。人々のライフスタイルのシーンに合う形を、いまだかつてない斬新なパッケージで実現することだ。

「例えば、オープンテラスでワインのように置いてみたり、普段から持ち歩きしたくなったりするような、スタイリッシュなイメージを表現したかった」(川口氏)

 ただ“のどを潤す”ために飲む緑茶ではなく、味を“体験する”緑茶。そんなイメージを一目で分かってもらえるような、嗜好性を兼ね備えたボトル形状が目標だった。

 そのヒントになったのが、キリンが販売するビールの「ハートランド」だ。ハートランドが飲まれるようなシーンで、緑茶を選ぶならば生茶。それこそが新生・生茶の目指す立ち位置だった。