鮮度充てんと呼ばれる、ボトルの中から酸素を取り除く技術にも磨きがかかる。お茶の酸化を防ぎ、劣化を防ぐには、そもそも酸素に触れさせなければよい。お~いお茶の抽出液中の酸素濃度は、3ppm以下。「業界最小クラスではないか」と社専務は胸を張る。

 そんなお~いお茶にも死角はある。顧客の高齢化だ。

 お~いお茶の購入者で圧倒的に多いのが、60代の男性。登場して30年近くなるメガブランドゆえの必然だ。顧客の若返りは、大きな課題となっている。

伊藤園マーケティング本部長の社三雄専務。お~いお茶の前身の商品から企画に携わる、社内では「伝説の人」

 対応策の一つは、顧客の嗜好に最適化した商品の展開である。「これだけ緑茶飲料市場が大きくなれば、嗜好の裾野も大きくなる。細部化されたニーズにぴったりと合う商品を提供することが重要です」(同)

 例えば、お~いお茶の派生商品である「絶品ほうじ茶」。緑茶飲料では手薄な20~40代の女性のユーザーを取り込むことに成功している。

 だが、競合他社の関係者は、「お~いお茶が巨大ブランド過ぎて、いまさら大胆に変えることはできない。だから、○○茶といった商品で補うことしかできないのだろう」と、お~いお茶の“ジレンマ”を指摘する。

 それでも、小手先の変化でお茶を濁すことなく、あるべき姿を追求し続けることが、お~いお茶が王者であり続けるための条件でもあるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)