不動産業界の「八百長問題」に気をつける
不動産仲介会社は、契約が成立すると、売主から3%+6万円(税別)の仲介手数料を受け取る。このとき、自身が売主・買主双方の仲介担当なら、双方から仲介手数料、つまり6%+12万円(税別)と、2倍の手数料を受け取ることができる。これを、業界用語で「両手」といい、売主、あるいは買主のどちらかからしか仲介手数料を受け取れないケースを「片手」という。業務量にはさしたる違いがないのに、2倍の手数料を受け取ることができる「両手」を狙うのが、一般的な不動産仲介会社の習性である。
不動産仲介会社の中には、この「両手」を狙って、ネットワークシステムに物件を登録しない、他業者から物件の有無を問われても「話が入っている」「契約予定」などと返答し物件を自社で囲い込むケースが散見される。これは売主への背信行為である。
わたしも不動産仲介の一営業だったころは、大手のこの「囲い込み体質」に辟易としたものだ。スピーディーなマッチングを阻害し、売主はもちろん購入者の利益にもならないこのような慣行は、即刻やめてもらいたいものだし、宅地建物取引業法で厳しく取り締まってほしい。不動産業界にも「八百長」があるのだ。
いずれにせよどこかに売却を依頼する際には「私の物件について囲い込みはやめてくださいね」と念押ししたほうがいいかもしれない。「別の会社からダミーで物件のお問い合わせをすることでチェックします」とするとさらに効果的かもしれない。ただしこのようなチェックを入れざるを得ない信頼関係ではそもそも売却の依頼をすること自体どうかとも言えるが・・・。
※参考 不動産業界にもあった“八百長問題”
http://ameblo.jp/03630912/entry-10796606224.html
物件の囲い込み行為に遭遇してしまった場合には、国土交通省(総合政策局 不動産業課TEL 03-5253-8287)に電話するか、国交大臣である前田武志議員にFAX(03-6551-0715)すると良いだろう。議員へのアプローチは、電話よりFAXが効果的であると、複数の議員や秘書から聞いている。