いざマイホームを売りに出したら誰しも、少しでも早く、そして高く売りたいもの。売却に手間取り、万が一でも売れ残りのイメージがついてしまったら大変だ。少しでも、早く高く売るためにはどうすれば良いか。今回は、そのコツについて具体的にお話しよう。
「買うとき天国、売るとき地獄」の住宅市場
日本の中古住宅流通市場は、公的データでは17万戸程度。業界団体の推計でも45万戸程度と極端に小さい。これは住宅予算の過半を新築持ち家に振り向け、残りを中古や賃貸などで分け合っており、住宅ローンの金利や期間、不動産取得税や固定資産税などで大幅な優遇が行われているため。私たちは新築住宅を有利な条件で買えたように見えて、その物件を中古として売りに出したとたんに不利な状況に置かれるわけだ。
また、「築25~30年で価値ゼロ」といった常識がまかり通ることに代表されるように、的確な査定手法が確立されておらず、不動産流通のしくみが整備されていないことも大きい。
一方で一般的な売主は、マイホームを売却する際にほとんど工夫しない。この点において差別化をはかり、早く高く売る余地はまだ大きく残されている。
中古住宅流通が盛んなアメリカでは、自宅をよりスムーズに売却するために外壁を塗装したり、インテリアコーディネーターなどのプロに依頼して、照明やクロスなど見栄えがするグッズなどで室内を演出する。このような工夫が自宅をより早く、スムーズに売却できる方法だと知っているからだ。
不動産仲介会社に売却を依頼して、広告、販売活動が始まったら、色々な見学者があなたの家を訪れる。屋根や外壁について、お金をかけてリフォームしてから売り出せば、印象がよくなって売却はスムーズに進むが、お金をかけなくても出来ることはたくさんあるのだ。