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加藤孝博・マカフィー(日本法人)会長インタビュー
「インテルとのタッグで市場のパラダイムは激変。
得意の“現場主義”で次世代セキュリティを席巻する」

【第5回】 2011年9月15日
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 それこそ、山奥の役所から保育士が3人しかない保育園まで、1つも取りこぼすまいと頑張ったものだ。それにより、法人や官公庁と太いパイプをつくることができた。SaaS型のサービスは、ある意味、日本法人の「強み」のベースとなった。

――マカフィーの強みは「現場主義」ということか。他社と比べてビジネスのやり方はどう違うのか。

 これまで競合他社は、コンシューマー向け製品において、販売店を次々に拡大し、大規模な宣伝を行ない、大量のスタッフを雇って拡販してきた。しかし、そのビジネスモデルは莫大なコストを要する。うちはそれをやらずに、大きな宣伝もかけず、草の根的な営業をやった。

 他社がセールス&マーケティングでやるなら、うちはあくまでテクノロジーで勝負する。その効果が、最近になってやっと出始めたという印象だ。

「現場主義」の歴史は自分自身の歴史
IT業界の黎明期に培った営業ノウハウ

――こうしたマカフィーの「現場主義」は、いつから始まったのか。

 マカフィーにおける現場主義の歴史は、私自身の歴史と言ってもよい。マカフィー日本法人のスタートは97年と、競合他社に比べて遅かった。

 特にコンシューマー製品に関しては、スタートが2003年と遅れをとった。マーケティングは蓄積によるところが大きいから、スタートから5年間ほどは随分苦戦し、試行錯誤を繰り返したものだ。

 熾烈な競争の中で勝ち残って行くためには、草の根的な営業で攻めるしかなかった。日本はガラパゴス市場なので、この営業スタイルが効果的だったこともある。

――加藤会長は、日本のIT業界で草創期から活躍してきた名物経営者の1人だ。当時と今を比べて、IT業界のビジネスのやり方はどう変わっただろうか。

 自分たちが若い頃は、もっとハングリー精神が強い経営者が多かった気がする。外資系のIT企業が「IBM学校」「DEC学校」などと呼ばれていた時代で、大企業で経験を積んだ人たちが、「一旗挙げてやろう」とIT業界へ飛び込んできた。

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