「ブレス鶏」のクリーム煮が
この上なくおいしい理由
「ジョルジュ・ブラン」は、フランスの「ブレス地方」というすごく小さな村にありますが、世界中からいろいろな国の人が訪れます。
ブレス地方には「ブレス鶏」という有名なブランド鶏があり、「ジョルジュ・ブラン」では、ブレス鶏を使った鶏のクリーム煮がお客様から絶大な支持を受けていました。
「ジョルジュ・ブラン」のスタッフの半分は「スタジエ」と呼ばれる研修生でしたが、志麻さんもその一員として半年間すごしました。
中でも、「鶏のクリーム煮」は、まさに「感動するおいしさ」だったのですが、世界中から集まるスタジエは、週末に「まかない料理」として鶏のクリーム煮が食べられるので、それが楽しみで仕方なかったそうです。
研修終了後に、スタジエのみんなが世界各地の地元に帰って、「ブレス鶏」のおいしさを声高らかに叫ぶと、「ブレス鶏ってなんだ?」と評判になり、ブレス鶏のブランド化がさらに進むというわけです。
今回の書籍では「鶏手羽元のクリーム煮」を一部紹介しました。
たとえブレス鶏が手に入らなくても、普通のスーパーに売っている鶏手羽元があれば、おいしいクリーム煮が作れます。
忘れられない思い出
志麻さんが「ジョルジュ・ブラン」で忘れられないのは、1回だけ、オーナーシェフのジョルジュ・ブラン本人に、冷蔵庫にある食材で「まかない料理」を作ったことです。
何を作ったかといえば、本書でも詳しいレシピを紹介した「お米のニース風サラダ」。
このときばかりは、さすがにドキドキで提供したところ、
「おいしい!」
と好評で、うれしかったそうです。
いま、各家庭のお客様から「レストラン料理のようにおいしい」と言われるのも、これらの経験があるからなのかもしれませんね。
「同じ大きさに切って揃えると、料理が美しくなる」――「ジョルジュ・ブラン」をはじめレストラン時代に学んだことを、志麻さんは、できる限り各家庭で実践しようと心がけています。