食品スーパーとドラッグストアの開拓に向けて両陣営が期待しているのが国際会計基準(IFRS)の導入。現在、独自にポイントプログラムを導入している企業の多くは、発行したポイントのうち将来、使用されると見込まれる金額を引当金として流動負債に計上している。

 引き当ての割合は過去のポイント使用実績などから企業ごとに決めているが、概ねポイント発行額の4~5割と言われている。つまり、1ポイント=1円換算で買い物に利用できるポイントを年間10億ポイント発行している企業なら、4億~5億円程度のポイント引当金を負債計上していることになる。

 ところが、IFRSではポイント発行額を売上げから相殺した上で、全額を負債に計上することが求められる。ちなみに、食品スーパー最大手のライフコーポレーションは、2011年2月期で16億円のポイント引当金を負債計上している。IFRS適用で仮にこれが倍増することになれば、バランスシートに結構なダメージを受けることになる。

 一方、共通ポイントの場合は、ポイント発行額と同額を加盟企業が運営元に預け、実際に会員がポイントを買い物に利用した場合、利用額分を運営元から還付してもらう仕組み。会計上はポイント発行時点で、販売促進費として経費処理しており、負債計上する必要がないのでバランスシートは傷まない。

目標は6000万人v.s.5500万人

 この点をアピールし、「IFRS導入前に共通ポイントへの切り替えを」が加盟企業開拓の常套句となっているが、早ければ15年3月期から予定されていた上場企業へのIFRS適用が先送りとなり、導入時期が不透明となった。また、IFRS適用はグローバル企業だけに絞るべきといった議論もある。

 このため、IFRS導入をセールストークとして使いづらくなっているのだが、前述のライフコーポは三菱商事が約19%を出資する第2位株主で、社長も送り込んでいる。最大手のライフコーポをポンタ陣営に加えることができれば、一気に食品スーパー業界で存在感を高めることができる。

 対抗するTポイント陣営は最近では食品スーパーやドラッグストアより、飲食店など中小商店やネット会員の開拓にターゲットをシフトしているようだ。昨年秋から「T−ID(TログインID)」は、TSUTAYAのネット通販サイトやYahoo!ショッピングで買い物をするとTポイントを貯められるネット専用の共通ID。「まだ、名寄せが終わっていないので会員数にはカウントしていない」(CCC)というが、ネット専用会員が会員数増へ向けた牽引車となる可能性もある。また、今年から始めた中小商店の開拓では、13年3月末までに1万店という目標を掲げている。

 会員数の中期目標は、Tポイントが6000万人、ポンタが5500万人。共に総人口の半数近くを自陣に取り込もうと目論んでいる。両陣営のデッドヒートは当分続きそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 田原 寛)