1つのテーマに集中できる「パーキングロット」

 一点集中術を実践したいからといって、目の前の作業とは直接関係のないことをぜったいに考えてはならないわけではない。もし、進行中の作業とは関係のないなにかが頭に浮かんだら、その考えをひとまずわきに置き、あとで時間ができたら対処する習慣を身につけよう。

 職場でよく会議やミーティングに出席している読者は「パーキングロット」(駐車場)という手法をご存じかもしれない。

 会議やミーティングでは、話題があちこちに飛んでしまい、結局、たいした成果をあげられないということがよくある。

 たとえば、新たな報告システムについて話しあうために会議をしたにもかかわらず、だれかが途中で「半年ごとの勤務評定が必要じゃないか」と言いだしたとしよう。その指摘自体は考慮する価値があるとしても、本来の議題とは無関係だ。

 ところが、その後も議題とはあまり関係のない話題が次々と挙げられ、議事進行が妨げられると、ついには全員が身動きできなくなってしまう。室内には、時計のカチカチという音が不気味に響きわたるばかり。

 そんなとき、この「パーキングロット」という方法が力を発揮する。

 会議の進行役がホワイトボードに、話題に挙がった、本来の議事とは無関係なテーマを、あとで話しあうために記録しておくのだ。こうしておけば、内容が一目瞭然となる。