スマホ、ネット、SNS……気が散るものだらけの世界で「本当にやりたいこと」を実現するには? タスクからタスクへと次々と飛び回っては結局何もできない毎日をやめて、「一度に1つの作業」を徹底する「一点集中」の世界へ。18言語で話題の世界的ロングセラーの新装版『一点集中術――限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』より、特別に一部を紹介する。

「聞いてもいないことを延々と喋り続ける相手」を一発で黙らせたいとき、頭のいい人はどうする?Photo: Adobe Stock

関係ないことを延々と話す相手には?

 職場でよく会議やミーティングに出席している読者は「パーキングロット」(駐車場)という手法をご存じかもしれない。

 会議やミーティングでは、話題があちこちに飛んでしまい、結局、たいした成果をあげられないということがよくある。

 たとえば、新たな報告システムについて話しあうために会議をしたにもかかわらず、だれかが途中で「半年ごとの勤務評定が必要じゃないか」と言いだしたとしよう。その指摘自体は考慮する価値があるとしても、本来の議題とは無関係だ。

 ところが、その後も議題とはあまり関係のない話題が次々と挙げられ、議事進行が妨げられると、ついには全員が身動きできなくなってしまう。室内には、時計のカチカチという音が不気味に響きわたるばかり。

 そんなとき、この「パーキングロット」という方法が力を発揮する。

 会議の進行役がホワイトボードに、話題に挙がった、本来の議事とは無関係なテーマを、あとで話しあうために記録しておくのだ。こうしておけば、内容が一目瞭然となる。

ひとりのときも同じコツを使う

 このテクニックは、ひとりで働いているときにも応用できる。

 1つの作業に集中している最中に、ほかのことについてのアイデアがひらめいたら、あとで考えられるようにそれを書き留めておくのだ。

 なんらかの作業に取りかかる前に、決められた場所に自分専用の「パーキングロット」を用意しておくのがいいだろう。

 それはスマホの「メモ」機能でもいいし、紙のメモ帳でもいい。

 ただし付箋やレシートの裏側、ダイレクトメールの封筒などに書き留めるのはやめておこう。私自身、こうした手近の紙に走り書きをして、結局、そのゆくえがわからなくなったという経験を何度もしてきた。

 アイデアがひらめいたり、なにか重要なことを思いだしたりしても、それが現在の作業と無関係なら、そちらに注意をそらしてはならない。ひとまずそれを書き留め、すぐに本来の作業にもどろう。

(本記事は、デボラ・ザック著『一点集中術――限られた時間で次々とやりたいことを実現できる』からの抜粋です)