筆者が空港を訪れたその日、上海発の中国東方航空が到着したロビーは乗客であふれていた。税関審査を終えて出てくる乗客を迎えるのは、プラカードを掲げた旅行会社もあれば、孫や子どもの帰国を待つ家族の姿もある。

 そんな中に、Tシャツに短パンという軽装の男たちが何人かいた。出てくる乗客を気にする一方で、しきりにスマートフォンに目を落としている。

 20分は過ぎただろうか。この“Tシャツ短パン男”は、ゲートから出てきた若いファミリーが自分の“待ち人”だと分かると二言三言挨拶を交わし、エレベーター乗り場に誘った。そして、1階の駐禁エリアに止めてあった黒のワゴン車に3人家族とベビーカーを乗せると、足早に空港を去って行った。

 この家族の他にも、駐禁エリアに停車中の車を目指して歩く中国人の家族連れがいた。トランクを載せたカートを押しながら、父親とおぼしき男性がスマホを耳に当ててズラリと並んだ違法駐車の列に近づいて行く。歩みを止め、車の中をのぞいてはまた歩き出す。どうやら、顔見知りでない相手を見つけるのにだいぶ苦労しているようだ。

 実は、この車の列の正体は、いわゆる「白タク」だったのである。

逃げ口上で罰せられず
日本の警察はなめられている

 筆者は交番を訪れ、警察官に「目の前で行われている駐車違反を、なぜ取り締まらないのですか」と尋ねた。すると、「5分以内であれば違反にはならない」と言う。しかし、これらはどう見ても5分以上は経過している車ばかりだ。交番を前に白昼堂々の違法駐車、日本の警察はすっかりなめられているとしか言いようがない。