『職場で嫌われる「無能なリーダー」がメンバーに“禁じていること”』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「外に出る暇があるなら仕事しろ」と言うリーダー
職場には、「外出=サボり」「社外活動=ムダ」と決めつけるリーダーがいます。
メンバーが外部のイベントや交流の場に行こうとすると、
「今それ必要?」
「本業に関係あるの?」
と水を差す。
一見、管理が行き届いているようでいて、実はこれ、かなり危険です。
なぜならそのリーダーは、仕事を“今ある業務”の中だけで完結するものだと考えているから。
変化のヒントや新しい視点は、会議室の中では生まれません。
外出を禁じるリーダーの下では、チームは徐々に内向きになり、発想も人間関係も固定化していきます。
社内に閉じ込めることが、「可能性」を閉じ込める
『チームプレーの天才』という本でも、こう指摘されています。
いつも同じ企業や顔ぶれだけが集まる場は人間関係が固定化されて、マンネリや予定調和に陥りがちです。
――『チームプレーの天才』(161ページ)より
外出を制限するということは、
・偶然の出会い
・意外な情報
・想定外の刺激
これらを最初から遮断する行為でもあります。
つまり無能なリーダーは、悪気なく「チームの世界を狭くする判断」をしてしまっているのです。
優秀なリーダーは「外に出る機会」を設計する
一方、優秀なリーダーは真逆です。
メンバーを外に出す。
むしろ、外に出る理由をつくります。
とくに重要なのが、人や情報が固定化されない場に参加することです。
『チームプレーの天才』では、こう提案されています。
偶然の出会いが生まれやすい場に自ら行ってみるのもいいでしょう。社内であれば、他の事業所や他部署の交流空間に行ってみたり。社外であれば、コワーキングスペースや地域コミュニティなどを訪れてみたり。
――『チームプレーの天才』(161ページ)より
こうした場に、参加してみる。打ち合わせをしてみる。チームで使ってみる。
それだけで、人と情報の流れが変わります。
もちろん、不特定多数の人が出入りする場では機密情報の取り扱いは慎重に。
しかし、それを理由に外出を禁じるのではなく、ルールを決めたうえで外に出し、新たな関係性や視点を取り入れてもらう。
これが、優秀なリーダーの判断です。
無能なリーダーは、メンバーを席に縛る。
優秀なリーダーは、メンバーを外に連れ出す。
チームに新しい風を入れたいなら、まずは「外に出ること」を許可する。
それだけで、チームの未来は確実に変わり始めます。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)







