人生において真に語る価値のある事は多くは無い。
それでも、人との出会いは、大いに語りたい事の一つだ。邂逅という素敵な言葉もある。運命の出会いは人生を変える力を持つ。それは、幸運の扉を開くこともあるし、不運を呼び込んでしまうことだってある。
ビジネスの現場は、日々、出会いに満ちている。
人事異動で新しい上司や同僚や部下と出会う。新しいプロジェクトの立ち上げで新しいビジネス・パートナーと出会い、新規の顧客開拓で素敵なお得意さんが生まれることもある。新しい出会いには、トキメキがあって刺激がある。
だから、出会いの瞬間は大切にしなければならない。
出会った時の印象が全てを決めることだってある。ファースト・インプレッションがラスト・インプレッションになって、一巻の終わりということもある。一目惚れで永遠の愛が始まるように、一瞬にして、強力なビジネス・パートナーが誕生することだってある。
例えば、ラリー・ペイジがセルゲイ・ブリンと出会ったことでグーグルが始まった。天才的な二人ではあったが、未だスタンフォード大学の大学院生で、全く無名のミスター・ノーボディー同士だった。
さて、ビジネスの現場で起こっていることは、音楽の現場でも起こっている。
日々、我こそはと自らの才能に自負を持つミュージシャンが、生き馬の目を抜くように競い合う。昨日の成功体験に安住してしまうと、明日には時代遅れになってしまいかねない。前衛の矜持を胸に、新しい響きを追求しなければ時代に取り残される。