「ニセ検査の結果を信頼していたら末期がんだった……というケースも報告されています。罪深いですよね。我々は、直接的な被害は受けていませんが、このまま放置したら、犠牲者はもっと増える。見過ごすわけにはいかないので、弊社のホームページで注意を促していますし、訴訟の準備も整いました」

ニセ検査、ニセ医学の
簡単な見抜き方

 ところで、がん死の恐怖につけ込み、先進医療の名前を拝借したり、似た呼び名をつけただけのニセ検査、ニセ医学の類は、ほかにも結構ある。

「血液一滴で超早期がんまでわかる」と謳うある検査は、S大学の医師と関西のベンチャー企業が共同研究した画期的な検査として、テレビや雑誌でもたびたび紹介されているが、疑わしい。最近、国立がん研究センターが「一滴の血液で13種類のがんを特定できる」という検査を発表したが、「似たようなもの」とは決して思わないでほしい。

 このベンチャー企業が行った2015年の記者発表では、「がん患者とそうでない人の血清20人分で実験したところ、たった3分で、100%の確率でがんを判別できた。今後は実用化に向け、さらに多くのデータを集めるための試験を行う」

 とのことだったが、その後、研究の進捗に関する報告は一切されていない。不審に思い、共同研究者である医師に問い合わせたところ「2015年以降共同研究は中止しており、その後某社が行っていることには小職は一切関与しておりません。これ以上はお答えする要素もなく、どうかご理解のほどお願いいたします」との回答を得た。これは一体、どういうことなのだろう。

「その検査や医療が信頼できるかどうかは、論文を読めば見抜けます」

 と語る広津氏に、一般人でも「あやしいか否か」がある程度見抜ける方法を教えてもらった。